とっても素直なユミツエワン
その日はユミツエワンの友達で、GONTITIのチチ松村さんがコンサートのために熊本に来る予定の日だった。ユミツエワンは、チチさんと会うのを楽しみにしていた。
ところが、その朝の5時頃、私は腎臓結石になってしまい、激痛の中目を覚ました。腎臓結石は2回目。一度経験しているので原因が結石であることはほぼ推測できた。
結石は痛い。それはもう、ものすごく痛いので歩けない場合もある。
なんとか、服を着て、ベットに眠るユミツエワンのところに行った。
「ユミ、起きてくれ、ちょっと具合が悪いので、救急病院に行ってくる」
そう言ってもなかなか目を覚まさないので、揺り起こして言った。
「ユミ!救急病院に行ってくる!激痛で具合が悪い。」
やっと目を覚ましたユミツエワンは私に向かって言い放った。
「え、じゃあ今日のコンサート行けないの?!」
ここで、怒っては大人ではない。
「ユミ、実はコンサートどころではないかも知れない。私は今から救急病院を探して入院してくる。」
「えー、マジー大丈夫なの?」
大丈夫なはずはない。
「大丈夫だ」
「いってらっしゃーい」
その声を聞き。よろけながら階段を降り、車へ向かった。普通、あのような激痛の場合は車を運転することは出来ない。しかし、なんとか車に滑り込みハンドルを握りエンジンをかけた。
幸いにも救急病院は車で5分位のところにあった。それに早朝なので車の通りも少ない。
体を折り曲げながら、車を運転して、病院に到着。受付に向かったが人影がない、仕方なく奥まで進み声を振り絞って
「急患です!!!」
そうすると、人影がないと思っていた受付から係の人が出てきた。どうやら早朝のために受付の机に突っ伏して仮眠をとっていたらしい。こんな朝早いのだから当然だろう。
それで、やっと診察と点滴が始まった。その頃、起床したユミツエワンからはストーカーのごとく心配しているメールが絶え間なく届いたが、残念ながら1度は返事したものの、それ以降は返事が出来ずに悪いことをした。
何しろ痛み止めなどで朦朧としていたからだ。
点滴を受け、なんとか痛みが収まった昼ごろ、自宅に戻ることにした。
PS,当然ながら夕方にはGONNTITIのコンサートに行くことが出来。ユミツエワンもご満悦だった。
PS2.死にそうな時に「コンサートの心配」が優先されたことなど全く気にしていない。だって、コンサートのほうが大事だよね。